40℃の畑で気づいたかも、本当の「整う」
猛暑日の畑は、ほぼ強制サウナだった。
ちょっと前から、「サウナで整う」という言葉をよく耳にします。
高温のサウナに入り、水風呂に浸かり、外気浴をする。頭が空っぽになって、心も体もリセットされるらしい。
その話を聞くたび、真夏の畑に立つ私は思います。
「あれ、これなら私も毎日やっているぞ」
ただし、私のサウナには水風呂も休憩用の椅子もありません。
あるのは雑草と、照り返しと、終わらない農作業です。
夏の畑には強制サウナが設置される
気温は35℃。
直射日光と地面からの照り返しを受けながら、収穫や草取りをしていると、体感温度は40℃を超えているように感じます。
服は汗でびしょびしょ。帽子のつばから汗が落ち、目に入るたびに顔をしかめる。
心拍数も上がり、水を飲んでも、すぐに汗として出ていきます。
そして、作業中にほんの少し風が吹く。
その瞬間だけは、
「あぁ……気持ちいい」
と、思わず声が出ます。
大量の汗をかく。
水がおいしい。
風が気持ちいい。
頭の中が空っぽになる。
ここだけ切り取れば、サウナで整う感覚とかなり似ています。
もちろん、本当に整っているわけではありません。
一歩間違えれば、ただ熱中症に近づいているだけです。
だから水分補給と休憩は必要ですし、猛暑日の農作業を美談にするつもりもありません。
それでも、畑仕事を終えたあとの独特な解放感には、サウナに通う人が言う「整う」と重なるものがあります。
農家は、お金をもらうために整う
ただ、サウナとの間には決定的な違いがあります。
サウナは、お金を払って整います。
農家は、お金をもらうために整っています。
……本当に汗の量と収入が釣り合っているかは、少し怪しいですけど。
しかも、サウナなら暑くなったら自分のタイミングで出られます。
畑では、
「あと一列」
「この収穫だけ」
「納品時間までに終わらせないと」
と、自分で自分をサウナ室に戻してしまいます。
誰かに閉じ込められているわけではありません。
自ら進んで、再入室しています。
夏の農家は、なかなかのサウナ好きなのかもしれません。
頭の中に開いていたタブが閉じていく
猛暑日の畑では、複雑なことを考える余裕がなくなります。
今日の売上。
明日の収穫量。
納品時間。
伸び続ける雑草。
機械がまた壊れないか。
普段は頭の中に、いくつものタブが開きっぱなしになっています。
けれど、暑さの中で作業をしていると、考えることは急に単純になります。
暑い。
水を飲もう。
あと一列。
次はあっち。
それだけです。
悩みが解決したわけでも、現実が変わったわけでもありません。
ただ、一時的に余計な思考が止まる。
もしかすると「整う」とは、体が気持ちよくなることだけではなく、考えすぎていた頭が静かになることなのかもしれません。
農家の整い方
作業が終わり、フラフラになりながら車へ戻ります。
エンジンをかけ、エアコンの風を顔に当てる。
そして、クーラーボックスからキンキンに冷えたコーラを取り出します。
プシュッ。
炭酸の抜ける音を聞いた瞬間、すでに少し回復した気がします。
ゴクッ。
ゴクッ。
ぐびぐびぐび……。
汗をかいた体に、冷たさと甘さと炭酸が一気に流れ込んでくる。
そして最後に、
「ぷっはぁーーー!」
水風呂はない。
外気浴用の椅子もない。
あるのは、軽トラのエアコンとキンキンのコーラ。
たぶん私は、これで整っています。
健康にいいかどうかは、知らないですけどね。
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一仕事終えたあとのコーラ、最高ですよね。しかも、頭の中も整ってるから相乗効果‼️
クーラーボックスから出てくるのが水とかお茶ではなくコーラでめっちゃ共感もてました😆
1番美味しい時😋